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民法学を語る

紹介文

 「先生に聞く」シリーズでは異例かもしれないが、『民法学を語る』を取り上げさせていただく。
 本書は、教科書・参考書・演習書の類ではない。現代の民法学の泰斗である「大村敦志」と「小粥太郎」が、往復書簡形式で、お互いの仕事・研究業績への所感や疑問を示し、各自の仕事・研究業績の時代背景・問題意識―その仕事・業績の発表時に、どういう問題意識を持ち、何を考えていたかなどを、あますところなく語っている。二人の碩学のやり取りではあるが、そのやり取りからは、民法学の問題意識や動向が、共時的にだけでなく、通時的にも明らかになる。読者は民法学、さらには学問のダイナミズムを知ることができるだろう。
 評者は、本書を読み進みながら、彼らの問題意識に共鳴し(自らの問題意識が、民法学の大きな流れのなかに位置することを知り)、彼らの問題意識や構想の大きさに敬服し、教えられる(自分の能力・努力不足を痛感する)。また、仕事をしていると、つい怠惰に流れてしまいがちである(誰でも苦しいことから逃げたくなる…評者個人の問題か…。)本書からは、悩み苦しみながら学問・社会と格闘する大村や小粥の姿を知ることができ、学問・研究に対してのモチベーション・勇気を新たにすることができる。
 学生諸君も本書を読むことで、普段読んでいる教科書や参考書の背景で、民法学者が、何を考えて仕事・研究しているのか、どのような葛藤をしているのかを知ることができるだろう(無味乾燥な教科書や参考書も、読み方が変わってくるだろう)。学問も、人の営為であることを(改めて)知ることができる。そして、そのことは、学生が、大学卒業後、社会で仕事に取り組むにあたっても、参考になるものと思われる。

紹介者
足立清人先生
所属学部
経済学部
書名 民法学を語る
著者名
大村敦志, 小粥太郎
分野
法律
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所在
3F和書
請求番号
324.01/O