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細雪 (谷崎潤一郎全集第15巻に所収されています。)

紹介文

 大阪、芦屋(兵庫)、そして京都を舞台に四姉妹が繰り広げる雅な長編物語。
 『痴人の愛』などに代表される初期作品とは全く異なり、谷崎潤一郎円熟期における落ち着きが全編を漂っています。関西に住む、歳も離れ、既婚未婚の違いもあり、性格も違う四姉妹が賑やかに様々な事件を起こしつつ年月を過ごしていく様子が詳細に記述されていきます。三女雪子の見合い話に始まり、次女幸子の夫婦の話、長女鶴子の苦労話、そして四女妙子の恋愛事件。そうした合間に、彼女たちはしばしば連れ立って食事に行き、舞台を見、買い物へ出かけます。実在する老舗の料理屋、ゆるやかな関西弁、着飾った姉妹の着物の柄や色あわせ。京都を愛し、作品執筆中も京都南禅寺周辺に住んでいた谷崎の美学の集大成ともいえそうです。特に、春恒例の京都平安神宮へのお花見、秋の大阪箕面への紅葉狩りは名場面として有名です。
 京都旅行の前に読むと、ちょっと違った楽しみ方ができるかもしれません。全体的に、ハラハラドキドキと展開していく物語ではないので、秋の夜長にゆっくり読めるのがうれしい作品です。

紹介者
職員B子
書名 細雪 (谷崎潤一郎全集第15巻に所収されています。)
著者名
谷崎潤一郎
分野
日本文学
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所在
閉架
請求記号
918.68/T-15 (閉架番号:CS123000)