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メモリー・キーパーの娘

紹介文

 この作品は、今世紀に入って米国で大ヒットした小説です。2005年に出版されて、2007年末までにすでに500万部を突破しており読者の関心の高さが窺われます。  どんな夫婦にとっても最初の子どもが生まれる時の期待と不安は想像以上のもので、それが男女の双子で女児がダウン症だとしたらどうでしょうか。この物語では、医師である夫はその事実を妻に隠して娘の方は死産だったと伝えるところから、この家族の人生が狂い始めるという展開になっております。なぜ夫は嘘をつかなければいけなかったのか、またこの娘を施設に預けるようにとこの医師に頼まれた看護師がなぜひとりで育てると決断したのか、という疑問を持ちながら読み進むうちに人の運命について考えさせられます。  英語教師として2年間の滞日経験がある著者のキム・エドワーズは、短編集The Secrets of the Fire Kingで作家として登場し、本作The Memory Keeper’s Daughterが彼女の最初の長編小説となります。私はこの人間ドラマを原書で読みCDで朗読を聞きましたが、最後まで厭きることはありませんでした。すでに2008年に日本語の翻訳が出ており、その他の言語への翻訳も次々と進んでいます。訳本でも十分楽しめますので読んでみてください。そうすれば、この本の重要なメッセージ、すなわち障がいのある子どもを育てている家族の気持ちが痛いほど理解できるかと思います。

紹介者
中屋晃先生
所属学部
経済学部
書名 メモリー・キーパーの娘
著者名
キム・エドワーズ
分野
英米文学
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所在
3F和書
請求番号
933.7/E