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薬害C型肝炎女たちの闘い : 国が屈服した日

紹介文

 この本は、私が今年の8月30日にBSで放送された「週刊ブックレビュー」を通して知った本です。評論家の佐高信さんが書評をした本で、その番組を見て、すぐに本屋に向かいました。一読すると、これまで目の前に立ちはだかる数々の壁を乗り越えた方々の人生を知ることが出来、涙を抑えずには読むことが出来ない本でした。とりわけ原告団の中心的人物である山口美智子さんが教師として、そして母親として生徒や子どもに語りかけた言葉は、今なお私の心の中に刻まれています。この本には、「生きる」という意味や、これからの「社会保障制度」のありようを考える上で、大変示唆に富むメッセージが数多くちりばめられています。学生のみならず、教職員の方々にも是非手に取って頂き、私が佐高さんによる書評から今回書評を書くに至ったように、今後ともいわば「書評の連鎖」が続くことを、切に希望する次第です。著者の岩澤さんは、最後の章を「語り継ぐこと」という章で終えています。そこに、「巨大な組織を相手に闘う山口さんたち原告に共通していたのは、「死」と対峙してきた魂の凄味、そして同じ肝炎患者の命を救いたいという強い意志でした」という一節があります。私はそのメッセージに共感し、このような形で「語り継ぐこと」を私なりに今後も引き受けて行きたいと思います。

紹介者
片岡徹先生
所属学部
文学部
書名 薬害C型肝炎女たちの闘い : 国が屈服した日
著者名
岩澤倫彦, フジテレビ調査報道班
分野
医療紛争
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所在
3F和書
請求番号
498.12/I