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貴族の没落とたくましく生き抜いてく姉

紹介文

 この小説は父が亡くなり、母と姉(主人公)の2人で生活しているところから始まります。主人公は母と着物を売って生活しており、その後戦争から帰ってきた弟が加わって三人で生活していました。しかし、母は体調を崩して亡くなってしまいます。

 そこから始まる貴族の没落。弟は、上流階級から外れたが庶民と馴染めず、かといってもう上流階級に戻れないと思い悩む。主人公は経済学の本を読んだことを機に、古臭い考え方に打ち勝とうと、彼女なりのやり方で革命を起こしていきます。

 母が亡くなってからの転落していくスピードがとても早く、また長編小説でないのも相まって一気に読んでしまいました。姉も弟もめちゃくちゃじゃないか!というのが感想ですが、貴族出身者には貴族なりの悩みがあり、さらに、家族の支えとなっていた母が亡くなったことで精神的に不安定になったのかなと感じました。家族がバラバラになった後もたくましく生きる姉は強いですね。長女だからでしょうか。

ぜひ読んでみてください。

紹介者
ドガみ
書名
斜陽
著者名
太宰治
分野
近代小説
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所在
閉架 (CS904859)
請求番号
913.6/D