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さいはての島へ : ゲド戦記 : III

紹介文

(再掲載:2007年5月掲載) 「ゲド戦記」は、2006年映画化されたので、ご存知の方も多い作品でしょう。しかし、本を手にとってみてほしい。私は10年位前の学生のときこの本を読んで、胸が震える体験をしました。読者のたましいに訴える物語です。  世界が色を失っていく。そうした異変に導かれるようにして青年レバンネンは、魔法学院の院長であり大魔法使いであるゲドと出会い、二人の旅がはじまる。不死を実現せんとする魔法使いによって、この世と死の世界との境界が崩壊しはじめていることが解ってくる。二人は苦難の旅の末、この世と死の世界を隔てる「石垣」を越え、死の世界の奥深くへと入っていく。ゲドは、この世と死の世界を分かつために、己のすべてを出し尽くし、魔法を失う。死の世界から生きて帰還した青年レバンネンは、数百年にわたって分裂していた諸国を統べる王となる。  この物語から人間の弱さ、そして勇気と強さを感じます。心の世界の出来事として、この物語をみたとき、自分とは決して無関係ではなくなることでしょう。この物語は、私が仕事としている「心理療法」で起こっていることと通じます。この物語は、壮絶な人間のたましいを感じさせてくれる作品です。ぜひ、ご一読をお勧めしたい。

紹介者
牧田浩一先生
所属学部
社会福祉学部
書名 さいはての島へ : ゲド戦記 : III
著者名
ル=グウィン
分野
英米文学
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所在
3F和書
請求番号
933.7/L-3