先生のおすすめ本
宮脇俊三鉄道紀行全集
紹介文
著者の宮脇俊三氏は、最近NHKの番組で関口知宏(今の学生100人に聞いてみたとして、彼の父を知っている人はどれほどいるだろうか?)がやっているような鉄道乗りつくしを、ずっと以前に(つまり現在よりも鉄道路線が格段に多かったときに)、半分は会社勤めをしながら、成し遂げてしまった人です(全集第1巻「時刻表2万キロ」「最長片道切符の旅」、第2巻「時刻表おくのほそ道」など)。そして、外国の鉄道にも乗りに行きます(全集第4巻・第5巻)。 というと、「マニアか。ふぅん」と片づけられそうですが、氏は、中央公論社の「世界の歴史」「日本の歴史」シリーズの企画を立ち上げ、中公新書を創刊した編集者である、といえば、読書人にも関心を持ってもらえるかもしれません(全集第6巻に収録されている自筆の略歴は、読み物としてもおもしろいと思います)。 著者の書く紀行の中でも、同行の編集者とのやりとりが描かれているものは特徴的で、愉快な感じです。とりわけ、決して鉄道好きではない(なかったはずの)若い編集者と鉄道に乗る、「旅の終りは個室寝台車」(全集第3巻)の最後のシーンが大好きです(最初から読まなくちゃ分かりませんよ)。
紹介者 |
齊藤正彰 先生
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所属学部 |
経済学部
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書名 | 宮脇俊三鉄道紀行全集 |
著者名 | |
分野 |
紀行
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蔵書検索 | |
所在 |
閉架(CS170843)
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請求番号 |
290.9/M
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