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五輪書

紹介文

 五輪書(ごりんのしょ)は江戸時代の剣豪・宮本武蔵が記した兵法教本です。 この書の冒頭で武蔵は,「13歳から28・29歳までに60回以上の勝負をしたが負けたことはなかった。30歳になり振り返ってみると,負けなかったのはたまたま理にかなっていたり,相手が弱かったりしたためであった。その後も鍛錬を続け,ようやく50歳になり兵法の道が理解できてきた」というようなことを述べています。そして60歳なり書き始め,約2年間を費やして完成させたのが五輪書です。  地・水・火・風・空の五つの巻に分かれており,その中の「水の巻」では主に心の持ち方について記されています。「日常のときでも戦いのときでも,少しも変わらずに,心を広く真直ぐにし,緊張しすぎず緩みすぎず,心が偏らないように留まらないように注意しなければならない」。最近のスポーツ心理学に関する書物でも聞くような内容ですが,これはほんの一瞬の気の緩みや迷いが生死を分ける真剣勝負の中での言葉です。含蓄があると思いませんか。他にも,心の持ち方・考え方のお手本になることがたくさん述べられています。これらはチャンピオンを目指すスポーツ選手はもちろん,日頃ストレスに悩まされている一般の人にも共通するものです。  彼の生涯については,大河ドラマや漫画「バガボンド」などでも取り上げられているのでみなさんにも馴染み深いと思います。原文は読みにくいですが,訳文・解説書付きのものや英語訳のものもあります。

紹介者
蓑内豊先生
所属学部
文学部
書名 五輪書
著者名
宮本武蔵
分野
武道
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所在
3F和書
請求番号
789.3/M