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地雷グリコ

紹介文

本作は、第24回本格ミステリ大賞(小説部門)、第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第37回山本周五郎賞を受賞した話題作です。
 主人公の「射守矢真兎」は、どこにでもいそうな少女。次から次へと揉め事に巻き込まれるタイプですが、どんな状況でも芯が据わっていて、一つも慌てず冷静な姿で読者を虜にします。奇想天外なゲームばかりでなく、仲間とのやり取りに哲学っぽいセリフを織り交ぜることで、より本書の魅力を引き立たせます。例えば、P53【坊主衰弱】の章での『「人生はゲームだ」なんてふざけたことを抜かすやつを信じちゃだめだよ』と語った場面、数学の橋本先生とのやり取り、P101【自由律ジャンケン】の章での「動物の特徴のほとんどはその戦略にもとづいていた」と語る戦略論、P240【だるまさんがかぞえた】の章でのドラゴンボールの亀仙人のセリフなど、言葉一つひとつが心に沁み、読み終わった後、爽快感が半端ないです。ぜひ手に取ってみてください。

紹介者
しまふくろう
書名 地雷グリコ
著者名
青崎 有吾
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/A