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ババヤガの夜

紹介文

2025年7月3日、ロンドンで開催された英国推理作家協会賞(「ダガー賞」)の翻訳部門において、王谷晶さんの『ババヤガの夜』が受賞しました。日本人作家の作品がこの部門で受賞するのは、史上初の快挙です。
 
「ダガー賞」は1955年に創設され、アメリカの「エドガー賞」と並び、世界的に権威ある推理小説の賞として知られています。これまでにも、横山秀夫さんの『64』、東野圭吾さんの『新参者』、伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』が最終候補に選ばれたことがあります。今回の選考では、柚木麻子さんの『BUTTER』とともに2作品が最終候補となり、王谷さんの作品が見事受賞の栄誉に輝きました。
 
『ババヤガの夜』は、冒頭から終盤まで暴力描写が連続し、まるで深作欣二監督の映画を観ているかのような迫力があります。しかし、物語の後半でふと違和感を覚え、何度もページを読み返した末に、違和感のあるページから3ページ目でようやくその仕掛けに気づきましたーーーーーーーー「完全に騙されました!(殺られました)」
 この驚きの展開は、M・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』や、リドリー・スコット監督の『テルマ&ルイーズ』を彷彿とさせるものです。好みは分かれるかもしれませんが、ページ数も少なく、1日で読了できる手軽さも魅力です。ぜひ映画好きな方に読んでいただきたい一冊です。

紹介者
しまふくろう
書名 ババヤガの夜
著者名
王谷 晶
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/O