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さがしもの

紹介文

 こんにちは。このページを開いてくださり、どうもありがとうございます。今回は、角田光代さんの『さがしもの』をご紹介します。
 この作品は本にまつわる九つの物語から成る短編集で、読書の魅力や本を読む喜びを感じることができる一冊です。私が特に好きなのは、古本屋で昔手放した本と何度も再会する「旅する本」という物語で、その中でも特に好きな一文があります。「私の中身が少しずつ増えたり減ったりかたちをかえたりするたびに、向き合うこの本はがらりと意味を変えるのである。」(P.23)この一文を読んで、読書を通して自分の変化や成長に気づくことができるという読書の魅力を感じることができました。そのほかにも、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊の本を探す少女の物語(「さがしもの」)や不幸の連続をもたらしたと思っていた本が特別な本へと変わるお話(「不幸の種」)、高校生の頃に万引きしてしまった本の代金と新人賞を受賞した自らの本を抱えてその書店を訪れるお話(「ミツザワ書店」)など味わい深い物語が詰まっています。
 本が好きという方なら共感できる登場人物や自分自身と重なる場面がきっと見つかると思います。ぜひお手に取ってみてください。

 

紹介者
枝豆
書名
さがしもの
著者名
角田 光代
分野
近代小説
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所在
3F和書
請求番号
913.6/K