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かか

紹介文

主人公『かか』の独特な語り口で物語は進みます。私は、何度も「この物語はどこへ向かうのだろう」と不安になりつつも、優しい言葉の魔力に引き込まれていきました。天から降ってくる言葉を、まるでテトリスのブロックのように慎重に組み合わせ、時には大胆に配置することで、見事な着地点に導きます。辿り着いたその先にある作者の言葉選びが、新しい文学として組み上げられています。
 この作品で宇佐見さんは、当時21歳という若さで最年少受賞を果たしました。選考委員の高橋源一郎さんは、「これが新人賞として出てきたのが信じられないほどの力を感じさせた。後生畏(おそ)るべし」と、2020年9月23日付の朝日新聞夕刊に掲載されました。
 なお、この作品をより深く味わうためには、登場人物の関係図を把握しておくことをおすすめします。【とと=父親、おまい=弟・みっくん、かか=母親、ババ=祖母の夕子(母親の姉・うーちゃんのおば)、ホロ=犬、明子=従姉妹などなど】

紹介者
しまふくろう
書名 かか
著者名
宇佐見 りん
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/U