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しろいろの街の、その骨の体温の

紹介文

この作品(第26回 三島由紀夫賞)では、都市開発によって街が膨らんでいく様子と対照的に、成長期にある主人公・結佳の骨が伸びるかすかな響きが、まるで彼女自身の叫びのように聞こえてきます。物語は、小学生から中学生へと移り変わる社会の中で、結佳が苦しみながらも、自分の求める「光=価値観」を見つけていく過程を描いています。
 私は読んでいる間じゅう、胸が締めつけられるような思いが続きました。好きと嫌いが紙一重のティーンエイジャーの揺れ動く気持ち、言葉にできなかった高揚感、そして子どもながらに光を感じる瞬間など、村田沙耶香さんの鋭い感覚が、深く心に突き刺さります。
 朝日新聞夕刊(2012年10月30日)「思春期の狂気 造成中の街に重ね」文化面、3頁のなかで、作者はこう語っています。
 『当時の記憶を掘り起こしたら、鮮明に出てきた。はっきりと、文学にしたいと思った(略)、苦しんでいる人に読んでもらいたい。学校がすべてじゃない、救われた、と思ってくれたら、本望です』

紹介者
しまふくろう
書名 しろいろの街の、その骨の体温の
著者名
村田 沙耶香著
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/M