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世界99

紹介文

村田沙耶香さんに初の月刊誌連載となった本作は、3年以上の歳月をかけて執筆され、上下巻合わせて864ページに及ぶ大作です。『あの本読みました』(BSテレ東)出演時、村田さんはこの作品を「集英社の2階の廊下にある謎のテーブル」で書き続けていたと語っています。さらに、独自の執筆スタイルについてこう明かしていました。「小説を書くときに、信じられないほどお砂糖を入れるんです。血糖値がかっと上がることで、すごいゾーンみたいに、ゾーンに入る感じでグワ~っと、、、、」
 これまでの作品の愛された登場人物たちの面影がふと立ち現れ、それらが昇華されて新たな世界へと変貌していく、まさに“村田沙耶香ワールド”の進化を体感できる一作です。物語は、主人公の人格が他者に「呼応」し、「トレース」し続ける中で、黒い闇の世界の入り口へと迷い込んでいきます。
 
現代社会に潜む闇をも映し出されながらも、ピョコルンの不完全さに思わず笑ってしまう場面もあり、怖さとユーモアが入り混じった心地よい読書体験が味わえます。

紹介者
しまふくろう
書名 世界99
著者名
村田 沙耶香
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/M