図書館員のおすすめ本
カフネ
紹介文
【2025年本屋大賞】、【第8回未来屋小説大賞】、【第1回あの本、読みました?大賞】
物語は、弟を亡くした姉の薫子が、弟の元恋人と出会うことから始まります。姉・薫子の人生感がズッシリと心に響きます。食べることは生きること、そして人は一人では生きられないという、ごくごく当たり前のことを強烈な内容で仕上げています。自分の気持ちをうまく言葉にできず、殻に閉じこもってしまう人にこそ、手に取ってほしい一冊です。
作者は様々な「愛」というテーマを、決して生半可な気持ちでは表現していません。他者への思いやりの愛の形を、真摯な眼差しで描き切っています。p94にある「善意って油みたいなもので、使い方と量を間違えると、相手を逆に滅入らせてしまうから」という一文。料理にたとえて語られるこの場面に、強く心を奪われました。身近な社会問題を「思いやり」という調味料で、作者はデリケートに調理しています。
本作は、今まさに困難の中にいる人たちへ、そしてその苦しみを気づいた人たちへ向けた、メッセージであるとも感じました。強い意志を持ち、懸命に生きる一人の人生観(生き様)を、ぜひ自分自身の心で味わってみてください。
| 紹介者 |
しまふくろう
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|---|---|
| 書名 | カフネ |
| 著者名 | |
| 分野 |
近代小説.物語
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| 蔵書検索 | |
| 所在 |
3F和書
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| 請求番号 |
913.6/A
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