図書館員のおすすめ本
小説
紹介文
この作品の前半は、場面や人物が唐突に切り替わり、物語の行き先や読むリズム感をつかむのが難しく、やや置き去りにされる感覚があります。しかし、ここはじっと腰を据えて、最後に訪れるプレゼントを期待して読み進めてほしいところです。後半に入って流れが次第に収束し始めると、それまでの断片的なつながりが、一気にこの作品の意図するところが腑に落ちてきます。狐につままれたような読後感を残しつつ、本作は、創作よりも価値が見えにくい「読む」という行為そのものを強く肯定します。そして、本を読む幸福を、あらためて実感させてくれます。違和感を残す構成も含めて、『小説』というタイトルに込めたこだわりが心に残り、わからなかった部分も含めて、もう一度読み返したくなる一冊です。『小説はフィクションだから』と言って、本を読まない人にぜひおすすめします。
| 紹介者 |
しまふくろう
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|---|---|
| 書名 | 小説 |
| 著者名 | |
| 分野 |
近代小説.物語
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| 蔵書検索 | |
| 所在 |
3F和書
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| 請求番号 |
913.6/N
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