図書館員のおすすめ本
死んだ山田と教室
紹介文
本書は、亡くなった高校二年生・山田が教室のスピーカーに憑依するという奇抜な設定で始まります。前半は男子校らしい馬鹿馬鹿しい会話に、思わず笑ってしまいます。しかし単なる青春小説では終わりません、ページをめくるごとに、かつて青春の季節のなかで置き去りにしてきた後悔が、心の奥から浮かび上がってくる感情を引き起こさせます。
青春時代にやり遂げられずにそのまま置き去りにしてきた記憶、良かれと思って選んだ行動が時を経て拭いがたい後悔へと姿を変えていた記憶、取り返しのつかない後悔として胸の奥に閉まっていたような記憶、そんな昔のやりきれない記憶を一気に思い出させてくれます。
どんな人にも、どんな出来事にも、いつかは終わりが訪れます。しかし、果たせなかった約束や伝えられなかった思いは消えることなく、海馬の片隅で時を刻んでいます。本作は、そんな記憶との再会を通し、かつての自分自身と今一度、向き合わせてくれます。
遠ざかった青春の日々は、決して失われたわけではなく、その輝きも、その痛みも、今なお心のどこかで息づいています。本作は、そんな忘れたはずの『記憶』を呼び覚まし、かつての自分と再会する機会を与えてくれます。そんな誰しものの『記憶の世界』に、本書は光を当てているように感じます。遠い大切な昔の青春の記憶を忘れかけてた大人に強く刺さる一冊としておすすめします。
| 紹介者 |
しまふくろう
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|---|---|
| 書名 | 死んだ山田と教室 |
| 著者名 | |
| 分野 |
近代小説.物語
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| 蔵書検索 | |
| 所在 |
3F和書
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| 請求番号 |
913.6/K
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