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おすすめ本

図書館員のおすすめ本

植物たち

紹介文

本書は植物の生態を人間の心理に重ね合わせた短編集、寄生や群生、生命力といった植物ならではの特性を人間の行動や感情で表現することで、現実と幻想の境界が曖昧になる世界観を生み出します。
 私は本を閉じてからも物語の世界感が止めどなく広がりました。この感覚は自分の周りにある季節の風景、道端の草木、鳥のさえずりや小さな虫までも、自分だけの記憶のなかに留めておきたいという感覚に似通っていました。
 私の行き過ぎた空想はいつの間にか妄想の世界に入り込み、デヴィッド・リンチ監督の美しいプロローグから日常の裏に潜む闇の世界へ迷い込む『ブルーベルベット』や、『ツインピークス』の二重性の世界(ちいかわパラレルワールド的な)を想像します。本書には読者それぞれが自由に解釈し、想像を広げる仕掛けが隠されていたようにも感じられます。読後、物語の続きを紡ぎたくなるような不思議な感覚が味わえる一冊でした。
 なお、後記に妄想の果ての一個人の考察も記しました。もしも興味がありましたら、本書をお読みになってから覗いてみてください。

図書館では、図書館ボランティアによる「HONTANのおすすめ本」を毎月ホームページで紹介しています。本を読んで感じたことや気づいたことを共有することで、新たな発見や読書の楽しさが広がっていくことを願っています。そして、多様な視点に触れることで、一人ひとりの学びの幅を広げるきっかけになればと思います。

1. 「にくたらしいったらありゃしない」の主人公・さち子は別空間に存在するアズ自身、点(植物の生態)と線(人間の心理)の歪みから産まれた別空間の存在ではないか?

2. アズは成長した「緑」の未来の姿、後半に収録された三つの短編は、公園から姿を消した家出少女たちの話、ひなが意識不明のまま見続けていた夢の延長線上ではないか?

3.直木賞受賞作【けんぐゎい】のガストホイスの世界感は、じじぃの画廊兼アトリエが原点ではないか?

~先日、朝倉かすみ先生をお見かけし、同じ空間、同じ客席で過ごせたことに胸が躍りました。その高揚感を抱えたまま迎えた夜、長時間水分を取らず、狭い椅子に腰かけ続けていたせいか、自宅で突然めまいに襲われ、身動きが取れなくなりました。人生で初めて救急車で運ばれ、翌朝まで点滴を受けるはめに。歓喜と災難が訪れた、なんとも忘れがたい一日となりました。~

紹介者
しまふくろう
書名 植物たち
著者名
朝倉 かすみ
分野
近代小説.物語
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所在
3F和書
請求番号
913.6/A

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