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ハイファに戻って ; 太陽の男たち

紹介文

 聞きなれない名前ですよね。著者はパレスチナ人です。書名のハイファというのは、パレスチナ地方の地名です。パレスチナ。ニュースでよく耳にする名前ですが、小説というかたちで登場することは稀です。パレスチナの小説。ちょっと興味が沸いてきませんか?
 2つの中篇と5つの短編に分かれています。どれもパレスチナ問題を扱ったものですが、子どもの目線のもの、中流階級の大人の目線のものなど、様々な視点から描かれています。
 「太陽の男たち」は後半の緊張感のある展開にハラハラしますし、「路傍の菓子パン」は同情を寄せていた気持ちが裏切られたときの人間の心理を描いていて、予備知識がなくても十分にストーリーに入っていくことができます。ただし、やはり描かれている世界には衝撃を受けます。突然自分たちの住んでいた場所を追いやられ「難民」になるということの理不尽さというものは、想像を絶するものがあります。「ハイファに戻って」の本文が始まる前には、1枚の地図が掲載されています。地図の表題には「占領パレスチナまたはイスラエル」と書かれています。私たちがなんということもなく呼んでいるイスラエルという国名も、占領パレスチナと呼んでいる人たちがいるということ、それがもう何十年も続いているということに気づかされます。
 この本の初版発行は1978年です。それが、2009年2月に新装新版というかたちで再発行されました。著者のカナファーニーは1972年に車に仕掛けられたダイナマイトにより死去しています。享年36歳という若さでした。その本が今再発行されるわけを考えてみてください。

紹介者
職員B子
書名 ハイファに戻って ; 太陽の男たち
著者名
ガッサーン・カナファーニー
分野
アラビア文学
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所在
3F一般図書
請求番号
929.763/K