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シッダールタ(ヘッセ全集 7 に所収されています。)
紹介文
ドイツのノーベル賞作家、ヘッセが仏教思想を描いている異色の名作です。 シッダールタといえば仏教の開祖ですが、その史実には基づいていません。バラモンの息子で修行僧になるなど、参照している点はありますが、仏陀としては別に「ゴータマ」と呼ばれる人物が登場するなど、シッダールタは仏教の開祖とは全く別の青年として描かれています。より自由にヘッセらしい世界観で物語が進展していき、楽しく読むことができます。 シッダールタには親友がいて、修行の旅にも2人で旅立ちます。この友情は、物語中最も重要なものとして描かれ続けます。修行僧になる決意をする物語初期のシッダールタは、まるでもう悟りを開いているかのように落ち着きがあり、神秘的ですらあります。しかし、中盤のシッダールタは、遊女に溺れ、お金儲けを楽しみ、また我が子への愛着を捨てきれません。悟ったかと思ってはまた煩悩にとりつかれるというシッダールタの苦悩と、それを乗り越えていく強さを、ヘッセのロマンチックというべき文体(高橋健二の名訳?)でお楽しみください。
紹介者 |
職員B子
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書名 | シッダールタ(ヘッセ全集 7 に所収されています。) |
著者名 | |
分野 |
ドイツ文学
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蔵書検索 | |
所在 |
閉架(CS124822)
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請求番号 |
948/H-7
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