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蒼穹の昴

紹介文

 中国清朝末期を描いた歴史長編です。2007年に完結し人気を博した『中原の虹』は、本書の続編とされています。「西太后」「李鴻章」「袁世凱」「伊藤博文」などの有名人が登場します。「溥儀」の時代よりも一代前、強さと伝統を誇る清が、日清戦争に負け、国内の基盤が歪みだした頃を描いています。  主人公は田舎の貧乏な少年、春雲。天下の財宝を手にするという予言を受けた春雲は、幼い妹を置いて自ら天命を切り開こうと行動します。また、春雲の同郷のお兄さん的存在、文秀は、科挙に最優秀の成績で合格し、政治の中心へと登りつめていきます。真っ直ぐに正義を貫く二人が、やがて対立する立場に置かれていくところが切なく、心に沁みます。   登場人物のそれぞれが個性強く、生き生きと動き回り、ぐいぐい読み進めることのできる物語です。そつなくかわいらしく誰からも疎まれない春雲、切れ者でみんなから頼りにされる文秀、また西太后は、民の信頼厚く、甥の皇帝を労わる、かわいくてかわいそうな人物として描かれています。  番外編の『珍妃の井戸』続編の『中原の虹』も所蔵しています。合わせてチャレンジしてみてください。

紹介者
職員B子
書名 蒼穹の昴
著者名
浅田次郎
分野
日本文学
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所在
3F和書
請求番号
913.6/A