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カラマーゾフの兄弟

紹介文

 平易で親しみやすい新訳で話題になった本書、みなさんはもう読みましたか?ロシア文学の難点である、人物の呼び名がいく通りもあるという複雑さも回避され、ハラハラドキドキを楽しめる小説として再登場しています。  この物語を一言で言うと、「父親を殺したのは誰だ?」という犯人探しの物語です。そしてその背景に巨匠ドストエフスキーが訴えたい思想が満載されています。  女好きの父親とどうしようもないダメ男な長男が三角関係、長男とシニカルな次男もまた三角関係、という複雑怪奇な女性問題にからみ、唯一善良さを見せつつも頼りない主人公の三男、隠し子といわれている不気味な使用人などが登場し、父親殺しの裁判へと雪崩れ込んでいく勢いは、現代の探偵小説顔負けです。一方で、一章をまるまる次男の空想物語の「語り」で費やすなど、緩急激しい構成です。そこも楽しみながら読んでしまえば、最後には感動の涙と余韻が残ります。  読者を挫折させないようにと訳者が心を砕いている解説も楽しみのひとつです。時間のあるうちに読んでみて損はないはず!

紹介者
職員B子
書名 カラマーゾフの兄弟
著者名
ドストエフスキー ; 亀山郁夫訳
分野
ロシア文学
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所在
2F文庫新書/光文社古典新訳文庫
請求番号
983/D