図書館員のおすすめ本
わたしを離さないで
紹介文
主人公が、自分の半生を思い出して語りながら、生きる意味や社会の仕組みを明らかにしていく、というお話です。全寮制の不思議な学校(?)で育った彼女は、そこで関わった人々のことを細かく語ります。集団生活での女の子同士の親愛や確執、思春期での男の子とのほのかなやりとり、大人になることの怖さ、そうした懐かしい心情がとても細やかにリアルに描かれていて、小説であることを忘れてしまいそうになります。まるで本当にあったことかのように読者を引き込んでいき、けれども物語はそのままでは終わりません。読み終えると、フィクションを上手に使った社会派の小説だったことが分かります。 作者は、日本人の両親から生まれていますが、イギリスで育ち、イギリスに帰化しています。小説も英語で書かれたものの翻訳です。土屋氏の翻訳も大変良く、翻訳物に抵抗がある方でも自然に読むことができると思います。
紹介者 |
職員B子
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書名 | わたしを離さないで |
著者名 | |
分野 |
英米文学
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蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
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請求番号 |
933.7/I
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