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こころ

紹介文

 言わずとしれた漱石の代表作。人間のエゴイズムと倫理観にゆれる「先生」の気持ちは、読んだ人ならば痛いほど共感できるのではないでしょうか。  私が初めてこの作品を読んだのは中学生の時。先生の友人に対する裏切りをただ批判していました。『友情』こそ唯一無二のもの。と考えていた私にとって、親友への裏切りは理解が出来なかったからです。(現在も似たような感覚はありますが…。)しかし、それから10数年経ち、改めて本作を読み返したときに単に批判だけではないことを感じました。「先生」の気持ちがわかったような気がしたのです。最初に読んだ時から現在までの間に積んだ、恋愛、就職、結婚といった様々な経験がこころの変化をもたらしたと考えられます。  この作品は幾度も読み返すたびに、新たな発見ができる。それは、自分の成長であり、経験を積んだ証明ではないだろうかと私は思います。  次に読むのはいつになるかはわからない、ただ、次回読むときには違った発見があることは間違いないといえます。だって、成長なのだから。その頃には、どれだけ「先生のこころ」を理解できるのかな。

紹介者
ふとっちょ
書名 こころ
著者名
夏目漱石
分野
日本文学
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所在
2F文庫新書/ちくま文庫
請求番号
913.6/N