メインコンテンツに移動
おすすめ本

図書館員のおすすめ本

アクロイドを殺したのはだれか

紹介文

 『オリエント急行殺人事件』、『そして誰もいなくなった』等と並ぶ、アガサ・クリスティの代表的推理小説『アクロイド殺害事件』。この作品が一躍有名になった所以は、なんといってもその結末の意外性に他ならない。今ここでその結末を語ることは控えるが、この結末について推理小説としてフェアであるかアンフェアであるか、当時も今も賛否両論が唱えられている。  しかし、この『アクロイドを殺したのはだれか』では、そういったフェア・アンフェアの議論はさておき、そもそも「ポアロの推理は正しかったのか?」「犯人Xの他に“真犯人”がいるのではないか?」ということに議論の焦点が置かれている。  果たして、名探偵ポアロの推理は間違っているのだろうか!?真犯人は誰なのか??  この作品では、文学的見地から、まず推理小説の手法について説明し、その上で犯人Xにこの犯行が可能であったかを検証する。次に精神分析の見地から、ポアロの推理が間違っているとするならば、小説の中でも何度も指摘されるように「ポアロは狂っているのではないか?」、つまり妄想に囚われているのではないかということを分析する。そして、明かされる真犯人。  『アクロイド殺害事件』を既に読んだ方の中には、冒頭で書いたように、その意外な結末について推理小説としてフェアではないと思われた方も多いのではないでしょうか?しかし一方で、“犯人がXである”と言うことについて疑問を持たれた方は少ないのではないでしょうか?この作品は、単に推理小説の真犯人を追及するだけでなく、推理小説の新しい読み方を私たちに示しています。あなたも、名探偵が取り逃がした“真犯人”を捜索してみませんか?

紹介者
幽玄
書名 アクロイドを殺したのはだれか
著者名
ピエール・バイヤール
分野
20世紀小説の研究
蔵書検索 検索
所在
3F和書
請求番号
933.7/B