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すいかの匂い

紹介文

 11人の女性たちの、幼い頃の夏の思い出を書いた短編集。  誰にでも、ふとしたことがきっかけで、忘れていた遠い過去の記憶が、突然よみがえってきたという経験があるのではないでしょうか?  この短編集の中で、11人の女性たちのそんなふとした「きっかけ」になったものは、「すいか」であったり、「セミの声」であったり、「おはじき」であったりとさまざまです。しかし、すべての物語に一貫して言えるのは、それらの「きっかけ」から思い出した女性たちの少女時代の記憶が、必ずしも“淡い思い出”や“わくわくするような体験”ではなく、幼な心に感じた親に対する後ろめたさや、幼さゆえに残酷だった自分自身に対する後ろめたさから、胸の奥底にしまっていた“居心地悪い”ような“思い出したくない”ような思い出であるという点です。  幼いころの、かわいいばかりではなかった自分自身を垣間見るような短編集です。  中には、背筋がぞっとするような物語もあり、夏の夜の読書にはぴったりかもしれません。  この本が「きっかけ」になり、皆さんも幼いころの忘れていた記憶がよみがえってくるかもしれません。

紹介者
幽玄
書名 すいかの匂い
著者名
江國香織
分野
小説
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所在
閉架(CS121718)
請求番号
914.6/E