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ありがとう大五郎

紹介文

 ある日、父・母・娘3人の5人家族「大谷家」の一員となった、手足のない小猿。  仮死状態で大谷家にやってきたこの小猿は、あとわずかしか生きられないだろうと思われていたが、大谷家の深い愛情につつまれ2年4ヶ月の月日を精一杯生き抜いた。  大谷家の人々はこの小猿に「大五郎」と名前を付けた。親がいなくても強く生きられるようにという願いをこめて・・・。  娘3人の大谷家にとって、大五郎は長男のような存在になった。甘ったれで、やきもちやきの大五郎。子どもたちとともに遊び、笑ったり、泣いたり、怒ったり。  手足がないために横たわっているだけだった大五郎が、転がることを覚えたとき、這うことができるようになったとき、立ち上がったとき、大谷家の人々はその喜びを分かち合った。  大五郎が教えてくれたこと、それは「手や足がないそのままの姿が大五郎である」ということ、そして「生きることの素晴らしさ」。  次女の、大五郎との思い出の中に、浜辺で大五郎と遊んでいた時、通りかかった女性が大五郎を見て「汚いから近寄っちゃだめよ」と自分の子どもに言うのを聞いて悲しい気持ちになったというエピソードある。この女性がもしこの本を読むことがあったなら、自分の言葉を恥じることになるであろう。

紹介者
幽玄
書名 ありがとう大五郎
著者名
大谷英之、大谷淳子
分野
ルポルタージュ
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所在
閉架(CS901754)
請求番号
916/O