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モッテン11才、死の床からの手紙
紹介文
「死ぬ」ということを考えると私はとても恐怖を感じます。死後の世界を信じる人にとっても、経験したことのない未知なる「死」というものはやはり恐いものではないかと思います。しかし、この主人公モッテンは「死ぬことは悲しいことでも恐ろしいことでもないんだよ。そしてぼくは今とても幸せなんだ」と言います。モッテンはたった11才の少年です。11才の子どもがなぜこんなことが言えるのでしょうか。それは、彼は一度死を経験しているから。死が恐ろしいことでも何でもないことを知っているのです。「死ぬってことは、すごく大きな観覧車に乗っているみたいなもので、上に行くまでがとっても怖くてドキドキするんだ」こんな風に思えるモッテンをある意味私はうらやましくも思ってしまいました。 この本はノルウェーのジャーナリスト・シーモンさんのもとへ、モッテンが書いた手紙をモッテンの母親が持ってくるところからはじまります。新聞に載せられたモッテンの手紙は、大人から子供たちまでたくさんの人に読まれ、モッテンのもとへ送られてくる手紙をシーモンさんが読み、それにモッテンが答えるという形で話は進みます。死期の迫る少年モッテンと著者は生きること、死ぬこと、神さま、天使、喜びや悲しみ、様々なことを語ります。2人の交流はとても暖かなもので、心に残ることでしょう。ノルウェーでベストセラーになったノンフィクション、是非読んでみてほしいです。
紹介者 |
3Zoo
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書名 | モッテン11才、死の床からの手紙 |
著者名 | |
分野 |
ノルウェー文学
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蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
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請求番号 |
949.66/D
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