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烏に単は似合わない

紹介文

 舞台は『八咫烏』が支配する架空の世界。世継ぎの若宮の后となるべく、東西南北それぞれの大貴族から、春夏秋冬をイメージした四人の美姫達が登殿します。彼女達はそこで若宮に見初められるべく、熾烈な争いを繰り広げます。しかし何故だか、肝心の若宮はいつまで経っても後宮に姿を現すことがなく、さらには姫付きの侍女が行方不明に。次々に起こる事件に、次第に雲行きが怪しくなっていく宮。そこに渦巻く人々の思惑に、四人の姫達は一体何を思い、行動するのか。そして后に選ばれるのは――?  2012 年に松本清張賞を最年少で受賞した著者の処女作です。表紙の華やかな姫達とは打って変わり、内容は緻密に作り上げられたミステリー色の強い物語となっています。ふわふわと穏やかな気性の東家の姫・あせびを中心とした展開ですが、その他の姫達も個性があり、とても魅力的。回りくどい表現や小難しい推理が苦手な方にも、サラリと読みやすい内容となっています。続編も刊行されており、本書は序章と呼べるので、気になった方は是非一読してみてください。

紹介者
WM
書名 烏に単は似合わない
著者名
阿部智里
分野
近代 個人の単一の小説
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所在
3F和書
請求番号
913.6/A