図書館員のおすすめ本
ジャーナリズムの道徳的ジレンマ
紹介文
2016年に相模原障害者施設殺傷事件が発生した時、被害者の実名は伏せられた。被害者家族にも実名報道を望まない、望む、それぞれの考えが混在した。 「優生思想的な風潮が根強くあるこの国でさらされたくない」、「障害がある人だから匿名にするということでは、存在していなかったことにされる」等々。 他にも「原発事故が起きたら記者を避難させるか」、「加害者家族を「世間」から守れるか」など、過去に実際に起こった、簡単には答えが出ないジレンマを抱えた事例をジャーナリズムの道徳的な20の難問として取り上げている。 それぞれ「思考実験」→「異論対論」→「実際の事例と考察」の三つのパートで構成されており、まず、「思考実験」で、直観的に支持する立場を二者択一し、「異論対論」で、それぞれの立場から交互に主張、反論、再反論して深め、「実際の事例と考察」で、充実した注釈や参考文献の掲載もあり、事例を考える上で必要な基礎知識を得たり、背景を掘り下げることができるようになっている。
紹介者 |
かるたキング
|
---|---|
書名 | ジャーナリズムの道徳的ジレンマ |
著者名 | |
分野 |
ジャーナリズム
|
蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
|
請求番号 |
070.15/H
|