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ポー名作集

紹介文

(再掲載:2007年1月掲載)  生来動物好きだった「私」は、数いるペットの中でもプルートーという名の黒猫を可愛がっていた。しかし、お酒のせいで気性が荒くなっていった「私」は、愛猫にひどい仕打ちをした挙句絞殺してしまう。ある日、酒場で偶然プルートーに(一部を除いて)そっくりの猫を見つけ家に連れて帰ってしまうが、プルートーと同じ傷を持つ彼に対し「私」は嫌悪を感じ極力避けるように。嫌えば嫌うほどつきまとう猫に、言い知れぬ恐怖を感じる「私」。ある時、地下室に降りようとしていた「私」は、後を追ってきた猫が足元にまとわりついたため危うく階段を転げ落ちそうになってしまう。怒りが頂点に達した「私」は、猫をめがけて斧を振り上げるのだが・・・(『黒猫』)  この『黒猫』という作品は、飼い猫を殺してしまった主人公「私」の異常な心理と次第に追い詰められていく様を描いた怪奇短編小説で、現在のミステリーや推理小説に影響を与えたポーの代表的な作品です。動物好きだったはずの主人公の「あまのじゃく」な心理描写は、好きなのに意地悪をしてしまうという誰もが少なからず持っている心を突いてくるようで、思わずドキッとしてしまうかもしれません。この本には他にもポーの代表作である推理小説『モルグ街の殺人』や『黄金虫』などが収録されています。論理的に進められる推理小説とえもいわれぬグロテスクさが漂う怪奇小説、どちらもポーの魅力ですが、その両方が味わえる一冊となっています。あなたもポーの世界に浸ってみませんか?

紹介者
長屋幸世先生
所属学部
経済学部
書名 ポー名作集
著者名
ポー
分野
英米文学
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所在
3F和書
請求番号
933.6/P