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成熟社会の経済学 : 長期不況をどう克服するか
紹介文
今年の就職戦線も厳しい。現在の3年生も戦々恐々であろう。いうまでもなくバブル経済崩壊後すでに20年にもわたる長期不況がその最大の要因であるが、本書の著者によれば、こうした長期不況はいまや日本経済が「発展途上社会」から「成熟社会」に移行したことによる。 企業がモノを作れば順調に売れ、企業で働く人々の給料が増え、政府も税収が増えて公共事業にカネをつぎ込める「発展途上社会」(いわゆる高度経済成長社会)は終り、いまや日本は「成熟社会」、すなわちモノがあふれていても購買意欲をそそるモノがなかなか出回らず、人々はモノを買わずにお金を貯蓄にまわし、貯蓄を預かる銀行は企業が国内で新規投資をしないために貸し所がない八方ふさがりの社会に移行した。 こうした新しい社会では、今までの経済学者も発想を変えて新しい理論を考えださねばならず、政府も不況対策と称するバラマキ的な公共事業をやめて新しい金の使い道を考えねばならない。では私たちはどのようにお金を使えばいいか。手元にあるお金をどのように使えば景気が回復するか。その答えは本書を読んで考えていただきたい。
紹介者 |
平井廣一先生
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所属学部 |
経済学部
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書名 | 成熟社会の経済学 : 長期不況をどう克服するか |
著者名 | |
分野 |
経済史
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蔵書検索 | |
所在 |
2F文庫新書/岩波新書
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請求番号 |
332.107/O
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