旭川ラーメンの紹介本と思うなかれ、「旭川大学　経済学部　江口ゼミナール」の10年以上にもおよぶゼミ活動の成果である。「(株)ライナーネットワーク」（旭川）に就職した評者ゼミOGからの情報で本書の発行を知った。それ以来、自分こそが本書を紹介せねば、という使命感に駆られてた（と思いつつ、紹介文を長い間、寝かせていたのは、評者の責任である。寝かせていたわりには、熟成もしていない）。 「旭川大学　江口尚文教授（経済学）」は、評者の前任校の同僚であり、評者が最も尊敬する大学教員の一人である。 　本書では、100軒にもおよぶラーメン店が紹介されている。これだけあれば、市販の情報誌と何の変哲もない。しかし、本書の最大の特徴は、その情報を、年度ごとに入れ替わるゼミ生が、10年以上にもわたって、自分の足、時間、そして（おそらくは江口先生の）お金で収集した点にある。116頁以下の旭川ラーメンに関わる考察部分は、経済学・経営学の専門的な観点からすると、物足りない部分があるのかもしれない（評者には判断できない）。しかし、122頁～126頁の現役ゼミ生の言葉、とりわけ、121頁の「江口ゼミの経営戦略」を見るに、専門的な観点からの評価なぞ吹き飛ぶ。学生たちのゼミ活動にむけてのdevotion、そして、それから得られる揺るぎない自信（それに基づく就職活動の成功）。それを全力でサポートする江口先生の学生教育に対してのpassion・love! 　本学の学生にも、江口ゼミの学生のように、講義やゼミでの勉強・研究に積極的に取り組む、否、のめり込んで欲しいと思う。また、我々教員も、江口先生の学生教育に対しての情熱と学生に対しての愛情と照らし合わせて、自らの学生教育のあり方や学生との接し方を振り返る機会としたい。今後も江口ゼミの活動に着目していきたい（個人的には、江口ゼミの活動には負けていられない！）。