図書館員のおすすめ本
グーグル八分とは何か
紹介文
「グーグル八分」という言葉を知っていますか? 「村八分」になぞらえて、Googleが特定のサイトを検索結果から排除することを指します。検閲にもつながるこのグーグル八分の実態を様々な実例をもとに暴いていくのが本書です。主題はグーグル八分についてですが、知る権利を守るという観点から図書館が紹介されたり、名誉棄損訴訟の問題点や民主主義の考え方、企業の社会責任などについても分かりやすく解説されており、インターネット上の問題だけに留まらない興味深い考察を読むことができます。 企業の社会責任という観点では、グーグルは私企業のひとつに過ぎず、自社の好きなように営業ができるという考えを否定しています。グーグルほどの巨大企業であり、また市場におけるシェアが大きい場合、私企業といえども社会責任をもって営業しなければならないと、著者は述べています。グーグルの検索結果に表示されないということが、企業にとってどれだけ致命的な打撃になるかを考えてみると、確かに影響力は絶大です。 本書第4章のインタビューで日本図書館協会の西河内靖泰氏が、インターネットと本や新聞(アナログなツール)を比較して次のように述べています。 「ネットにしろアナログにしろ、どちらか一方が絶対なのではなく、所詮は道具、ツールとして両方使えばいい。両方使うことで出てくる、おもしろさや怖さというものがあると思います。(p221-222)」 グーグル八分についての賛否は分かれるにせよ、情報というものの捉え方、便利さや怖さについて学ぶことのできる一冊です。
紹介者 |
職員B子
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書名 | グーグル八分とは何か |
著者名 | |
分野 |
表現の自由
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蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
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請求番号 |
316.1/Y
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