図書館員のおすすめ本
ミラクル
紹介文
あなたは、幼い頃にしかない能力を信じますか?大人になるにつれて薄れる能力・・・。 もしも、その能力があったら、あなたは誰に会いたいですか? 主人公は「アル」という男の子。この家族の幸せな時間は、アルの誕生と共に止まってしまう。なぜなら、母親は出産と引き換えに呆気無く命を落としてしまうから。残された父親は、死を考え半狂乱になるものの、死の淵へは行けなかった。それは、愛する人が残したただ一人の息子、アルのためだけであった。現実を受け入れられない一方で、物心がついてくるアル。何度も聞いてくる「母親はどこ?」の言葉に、父は嘘をついてしまう。『雪の降る頃に会えるよ』と。本書は、この二人の愛しく切ない物語です。 物語の中では、もう二人の重要な人物(?)が登場します。それは、大人には見えず、アルにしか見えません。この二人とアルの関係もすごく暖かい。純粋な気持ちにさせられます。 この本は、私が初めて買った本です。大切な人を亡くした私でしたが、心に空いた穴をそっとやさしく包んでくれた出会いとなりました。これがきっかけとなり、読書がもたらす心の豊かさ、大切さを学び、それまで見向きもしなかった本を読み始めるようになりました。 みなさん、最初に出合った本は何ですか?その時に感じた事を覚えていますか?思い出すことで純粋な気持ちになり、見えない世界がみえるかもしれませんよ。
紹介者 |
ジロー
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書名 | ミラクル |
著者名 | |
分野 |
日本文学
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蔵書検索 | |
所在 |
閉架(CS091694)
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請求番号 |
913.6/T
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