図書館員のおすすめ本
森鴎外
紹介文
日本文学の入門として、手軽に読める「ちくま日本文学」が文庫本で出版されました。 「森鴎外」編には、有名な「舞姫」「高瀬舟」はじめ、鴎外の短編集が詰まっています。このシリーズの良い点は、なんといっても、読みやすさ。旧仮名づかいや旧字は現代のものに直してあり、ふり仮名も親切にふられています。注もページごとについていて、これだけされていれば、明治の作品も怖くありません!でも、そう、明治・大正の作品となると、平成の現代では注が必要になるんですね。どんなにふり仮名をふってみても、生活様式や日常表現が違うので、注がなければ分からない言葉が結構あるものです。例えば、「緡(さし)」は銭の穴に通して束ねる縄のこと、「容喙(ようかい)する」は口をはさむことです。こうした古い言い回しも、ぜひ楽しみながら読んでください。故事をもとにしている歴史物は、簡潔な文章で特に楽しめます。 鴎外の年譜もぜひ眺めてみてください。「神童」とはこの人のことを言うのでしょう。4歳で漢籍を、5歳から論語を学び始め、足りない年を2歳ごまかして12歳で医学学校予科に入学しています。その後も医者であり、文学者であり、語学も堪能で、晩年には美術審査員なども務めています。昔はすごい人がいたものですね。
紹介者 |
職員B子
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書名 | 森鴎外 |
著者名 | |
分野 |
日本文学
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蔵書検索 | |
所在 |
閉架(CS122367)
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請求番号 |
918.6/C-17
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