図書館員のおすすめ本
大学生と著作権
紹介文
弁護士の説く、大学生が知っておくべき著作権のいろは+『海辺のカフカ』謎解き本 「+」以降はさておき、この本の基本は「大学生が知っておくべき著作権のいろは」を教えてくれるというものです。著作権とは何か、という基本から、大学生活においてぶつかる著作権の疑問まで、分かりやすく具体的に説明されています。 とくに第4章のQ&Aでは、「『講義ノート』の貸し借り・講義の録音」や「卒業論文への引用」「学習塾等での教材コピー」「レンタルCDと『iPod』への録音」など、大学生活で直面する著作権の疑問が次々と解決されていきます。知らないうちに違法行為をしてしまわないためにも、大学生のうちにぜひ読んでおくべき一冊です。 そして、この本は5章構成となっていますが、第5章だけは全く別の読物であると言って過言ではありません。第5章は「『海辺のカフカ』と著作権をめぐる対話」として、村上春樹の小説『海辺のカフカ』を題材に、現役大学生と著者が対談するというものになっています。章タイトルは「著作権をめぐる」となっていますが、中身は途中から全く著作権の話ではなく、『海辺のカフカ』の謎解き、考察、作品研究になっていきます。なんと章の末尾には「『登場人物の足取り』関係表」という、あらすじを追うには最適の時系列表まで付いています。著者も断っている通り「ネタバレ」表現が出てくるので、作品を読んでいない人にはお勧めできませんが、『海辺のカフカ』ファンの方、または読んだけれどもよく分からなかった、疑問が残る、という方には、謎解きの1ヒントとして充分に楽しめる対話です。 必要な知識を身につけながら作品研究まで楽しめる、異色の本です。
紹介者 |
職員B子
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書名 | 大学生と著作権 |
著者名 | |
分野 |
著作権
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蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
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請求番号 |
021.2/K
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