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大河の一滴

紹介文

 星学祭期間中の2006年10月7日(土)に五木寛之氏の講演会が開かれます。講演会に行く人も行けない人も、この機会に五木寛之氏の作品に触れてみてはいかがでしょう。  「本当のプラス思考とは、絶望の底の底で光を見た人間の全身での驚きである。」いつも前向きであれ、自分に自信をもて、人生は素晴らしい、そんなよく耳にする言葉たちに、五木氏は疑問を投げかけます。現実には、どうしてもプラス思考をできない出来事もある。そういう状態の人に、プラス思考をしなさい、と言えるだろうか。むしろ、マイナス思考を通してこそ分かる、人の優しさや命の尊さというものがある。五木氏は、喜ぶことと同時に悲しむことの大切さを語ります。  マスコミなどの影響で、固定した価値観を押しつけられがちな私たちですが、一度自分自身にたち返って考えることが大切だと思い知らされます。健康ブームと言われて久しいけれど、五木氏は病院が嫌いだし、早寝早起きもしません。自然治癒力を信じ、科学を鵜呑みにせず、自己管理に自信と責任をもっているからです。みんながこう言うから自分もこう考える、というのではない、自分の体験と直感からくる言葉の説得力の強さを、五木氏は教えてくれます。  謙虚で肩肘を張らない、命の大切さを考えさせられるエッセイです。

紹介者
職員B子
書名 大河の一滴
著者名
五木寛之
分野
エッセイ
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所在
3F和書
請求番号
914.6/I