便利になる一方で、世知辛い世の中になったと感じている人は少なくないと思う。 過ぎ去る毎日の波に流され、身を委ねる結果、自分を見失う。そしてまた流される。 日々そのように過ぎ去ると、自分を見つめる時間も無く、心も荒んでいく。 だからこそ、意識して心を鎮める時間を作る「心を整える」行為が必要であり、その備えこそが、力と結果を出せる秘訣であると主張する。 　本書は、サッカー日本代表キャプテンが、自身の経験を基に感じ、実践しているメンタル術を紹介している。 一例を紹介すると「マイナス発言は自分を後退させる」「偏見を持たず、まず好きになってみる」「運とは口説くもの」「楽な方に流されると誰かが傷つく」「正論を振りかざさない」など、この時代だからこそ共感できる習慣が多数見受けられる。 　一方、本書の内容とは異なるが、自著の印税全額について、ユニセフを通じて「東日本大震災」支援のため寄付する行為にも胸を打たれる。 これは、発売後2ヶ月で40万部以上を売り上げた要因の一つかもしれない。 しかし、これを差し引いたとしても本書の内容は日常の「心」を見つめ直す良いきっかけとなるであろう。 　ドイツには「整理整頓は人生の半分である」という有名な諺がある。 　あなたも本書を読んで、「心」の整頓をしてみてはいかがか。