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FBI美術捜査官 : 奪われた名画を追え

紹介文

 本書は、FBIで長年美術捜査官として尽力してきた著者による回顧録である。  美術犯罪と聞くと、怪盗ルパンさながらに美術館から絵画を奪い去るシーンが思い浮かぶ。しかし実際には美術館からの盗難は全体の10%に過ぎず、多くは個人宅や遺跡発掘現場で起こっているという。そして遺跡発掘現場での盗難には、日本も大きな関わりを持っている。中東やアジアに暮らす貧しい人々が、生活のために遺跡を荒らし、盗んだ品を悪徳ディーラーへと売り渡す。そしてディーラーはこれらを需要のある豊かな国々へと売りさばく。そんな盗難美術品市場の一つが残念ながらこの日本である。  FBI美術捜査官は、時に十年を超える歳月をかけ少しずつ潜入捜査の足がかりをつかんでいく。彼らにとって最も重要なことは、犯人を捕らえることではない。人類の貴重な遺産である美術品を取り戻すことである。美術品を奪うという行為は、人類の歴史や文化の記録を奪い去るということである。その重みを知らせ、美術品の真の価値を述べ伝えることが本書の最大の目的なのかもしれない。  話は変わるが、1990年にアメリカ・ガードナー美術館からフェルメールの≪合奏≫が盗まれ未だ行方不明となっているのをご存じだろうか。日本にあるとも噂されるこの作品。お心当たりの方は、FBI美術犯罪チームまでご一報をお願いしたい。

紹介者
幽玄
書名 FBI美術捜査官 : 奪われた名画を追え
著者名
ロバート・K.ウィットマン, ジョン・シフマン
分野
回顧録
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所在
3F一般図書
請求番号
706.7/W