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童話物語

紹介文

 あったかくて、優しかったペチカのお母さん。  大好きだったお母さんが死んでしまい、ずっとずうっと一人ぼっちの少女ペチカ。  そんなペチカを襲う厳しい寒さ、飢え、いじめ、そして大人の卑劣な嫌がらせ。  目を背けたくなるようなペチカの過酷な日々。ペチカには、腹を空かせた子猫を蹴飛ばし死なせこそすれ、子猫に食べ物を分け与える余裕はない。 そんなペチカのもとに舞い降りた妖精フィツ。屈折した心を持つペチカの姿に困惑するフィツ。しかし、子供のように純心なフィツは、ペチカが本当は優しい女の子である事を感じとっていた。  フィツだけでなくペチカの周りには、救いの手をのばす多くの人々がいる。しかし虐げられ続けてきたペチカは、その愛に気付けない。彼らを信じることができない。それでも悲しみや孤独を知っている彼らは、ペチカの屈折した心を理解し、悲しみを恨みや憎しみに変えるのではなく、愛や慈しみに変える事のすばらしさを、ペチカにその大きな愛で示し伝えようとする。  人は、弱い存在である。弱さゆえに、人を恨んだり憎んだりする。弱さゆえに、恨みや憎しみをエネルギーとせずには生きられない者もいる。この物語は、誰の心の中にも潜んでいる、恨みや憎しみから生まれる負のエネルギーの恐ろしさそして愚かさを私達に警鐘する。  この物語には単なる冒険小説・友情物語とは違う、壮大なメッセージが込められている。「本の街」「水に浮かぶ街」「塔が立ち並ぶ街」、架空の地クローシャの魅力溢れる街々もお楽しみ下さい。

紹介者
幽玄
書名 童話物語
著者名
向山貴彦
分野
小説
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所在
閉架(CS907252)
請求番号
913.6/M-1.2