どこにでもある普通の家族、「城田家」。 　少し普通と違うところがあるとすればこの家族が、総勢１３人とビーグル犬１匹の大大大家族であること。そして、ハンガリーからの留学生ボラージュがいること。 　どこにでもある普通の家族だからこそ、どこの家族にも起こるさまざまな問題を抱える。 　城田家の大黒柱晋太郎の事業の倒産、離婚の末子供4人をつれ実家である城田家に帰ってきた晋太郎の妹めぐみ、両親の離婚が原因で暴走族に関わり始めるめぐみの長男春雄、妻子ある男と恋に落ちてしまった長女真由美、多感な年頃を迎えた次男恭太、親子喧嘩に兄弟喧嘩。 　そんな家族の日常をかたわらでいつもみつめているビーグル犬「フック」。自分のことを人間だと思いこんでいて、ちょっと太りすぎのフック。家族の一大事に胸を痛めるお母さんの話にいつも耳を傾けるフック。家族の中心に、家族みんなの心の中に、いつもフックがいる。 　どこにでもある普通の家族の日常を切り取った物語。どこにでもある普通の家族の物語だからこそ心温まる。ドラマ「カミングホーム」の原作にもなった小説。涙涙のラストです。