図書館員のおすすめ本
アジアン・ジャパニーズ
紹介文
7月に入り、そろそろ夏休みの旅行計画を立てている方、また海外留学に向け準備を始めた方も多数いらっしゃることと思います。 そこで、そんな時期にぴったりのこの一冊をご紹介します。 誰しも、自分自身の人生や将来に対する漠然とした不安を抱いたり、現在の自分の生き方に疑問を感じたり、また社会に対する反発を覚えた経験があるのではないでしょうか? この本は、そんな思いにかられ、ついに日常生活・日本社会から逃げ出しアジアへ向かった日本人を取材した一冊です。この本の大きな特徴は、著者の小林紀晴氏自身もそんな日本人の一人だったということかもしれません。 著者は、カメラマンとして勤務していた新聞社を辞めアジアへ旅立ちます。上海からスタートしたその旅で、彼は自分と同じく何かを抱え苦悩している多くの日本人と出会い、カメラを向け、対話をします。彼ら一人一人を撮影した写真は、彼らの人生を如実に表現し、私たちに何かを語りかけます。そして、彼らの持つ表情に私たちははっとさせられるのです。 この本は、後半部分で、取材した人々の数年後を追いかけています。何かを得た人、何も変わらなかった人、そこには厳しい現実が見え隠れします。 では、著者自身は、この旅で何を得たのか、出会った日本人から何を感じとったのか。 この本を読み外国の土を踏む時、これまでとは違った世界が見えてくるかもしれません。
紹介者 |
幽玄
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書名 | アジアン・ジャパニーズ |
著者名 | |
分野 |
ルポルタージュ
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蔵書検索 | |
所在 |
3F和書
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請求番号 |
916/K-1
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