6月のミニ展示は、ちょっと不思議な小説をそろえました。
ナンセンス、不条理、奇妙奇天烈なシチュエーションの中、
登場人物たちは案外ケロリとして物語を進めていきます。
その、小説でしかあり得ない世界を楽しむことは、
文学を読むことの醍醐味ともいえるでしょう。
有名なところでは、
朝起きたら虫になっていた、というカフカの『変身』があります。
新しく新書版で所蔵しています。
活字が大きめなので、入門者にお勧めです。
日本の作家では、
例えば売れっ子の川上弘美などは「奇想天外作家」と呼べるでしょう。
『椰子・椰子』は日記風なのですが、
その日記がナンセンスこの上ないのです。
夫が行方不明になり、捜しまわって見つかった場所は「長持ちの中」です。
かと思うと「片思いのひとから牡丹の花をもらう」などとかわいい一面も。
日記の合間に短編小説が4編入っているのですが、
その短編も素敵です。
「山本アユミミ」という名前だけでちょっとワクワクします。
前期試験も近づきますが、
気分転換におかしな本と出逢ってみませんか。