カズオ・イシグロ氏に関する研究書は数多く存在しますが、長崎市出身の大学教授による視点は、他の研究者とは一線を画す鋭さと深みを備えており、非常に読み応えがあります。特に印象的だったのは、P183の第Ⅵ章「座礁した船」――『わたしを離さないで』に関する考察です。私が興味を持ったのはP183 Ⅵ座礁した船『わたしを離さないで』より、柴田元幸氏との対談で彼は『たとえばジョージ・オーウェルの『1984年』が、未来や執筆した時代へのコメントになったのと同様の理解をされたくないために、「もうひとつの現実」、「もし・・・・・だったら」という仮想の現実空間を、現代に生み出した』と語っています。未来派SF的に解読されることを回避し、これを「我々が住む人間の状況の、一種のメタファー」にするために、イシグロ氏は敢えてリアルタイムの年代を設定したのだと語ります。
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書名 | カズオ・イシグロ:境界のない世界 |
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EBSCOhostデータベースの新インターフェイス移行に伴い、「HOLLY(文献検索)」の画面が
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新しいインターフェイスへの移行日:2025年8月5日
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利用者の皆様
平素より図書館をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、全学的なBYOD(Bring Your Own Device)方針に基づき、現在図書館(マルチメディアフロアー
及び情報検索コーナー)に設置されているパソコンは、2025年度末をもって撤去することとなりました。
2026年度以降は、図書館内での自学自習において、各自のパソコンをご利用いただく形となります。
なお、蔵書検索専用のパソコンについては、以下の通り設置を継続いたします。
・1階:1台
・2階:2台
・3階:1台
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
北星学園大学図書館ボランティア団体「HONTAN」のインスタが起ちあがりました。
活動の様子やイベントなどの情報をお知らせします。
こんにちは。このページを開いてくださり、どうもありがとうございます。今回は、角田光代さんの『さがしもの』をご紹介します。
この作品は本にまつわる九つの物語から成る短編集で、読書の魅力や本を読む喜びを感じることができる一冊です。私が特に好きなのは、古本屋で昔手放した本と何度も再会する「旅する本」という物語で、その中でも特に好きな一文があります。「私の中身が少しずつ増えたり減ったりかたちをかえたりするたびに、向き合うこの本はがらりと意味を変えるのである。」(P.23)この一文を読んで、読書を通して自分の変化や成長に気づくことができるという読書の魅力を感じることができました。そのほかにも、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊の本を探す少女の物語(「さがしもの」)や不幸の連続をもたらしたと思っていた本が特別な本へと変わるお話(「不幸の種」)、高校生の頃に万引きしてしまった本の代金と新人賞を受賞した自らの本を抱えてその書店を訪れるお話(「ミツザワ書店」)など味わい深い物語が詰まっています。
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