今回のWEB展示では、ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロ氏に焦点を当てます。長崎を故郷に持つイシグロの作品『遠い山なみの光』が、石川慶監督の手によって映画化され、2025年9月に全国公開されます。
『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む8部門に輝いた石川監督の大ファンだったイシグロは、彼からの映画化オファーを受け大きな期待を寄せています。戦後80年を迎える節目に、長らく“幻の作品”とされてきた物語が、ついに日本人の手により映画化されます。
本展示では、映画公開を記念し、カズオ・イシグロの代表作や関連資料を一堂に集めました。彼の文学世界を、ぜひこの機会にご堪能ください。
| テーマ | カズオ・イシグロ特集 |
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| 種類 | |
| 展示期間 |
トムソン・ロイター社が提供する「Westlaw Japan判例・法令関係データベース」の
トライアル利用のご案内となります。(学内のみの利用)
なお、トライアル期間は、12月31日までとなります。この機会に是非ご覧ください。
イギリスの気品溢れる執事の姿を土屋政雄氏の見事な翻訳のより厚みのある人物像として表現されています。物語は戦争が過ぎ去り、歴史ある屋敷の主(あるじ)がアメリカ人になっています。執事のスティーブンスの目下の悩みはアメリカンジョークへの最適な返しです。ある日、主(あるじ)の思いつきでスティーブンスは旅に出掛ける羽目になり、その道中で、長らく心の奥に封じ込めていた曖昧な記憶と向き合うことになります。忠誠心ゆえに非難される立場に立たざるを得なかったスティーブンスの過去の行動は、読む者の心を揺さぶります。そして物語は、旅の最大の目的であるミス・ケントン(ミセス・ベン)との再会へと向かっていきます。
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| 紹介者 | |
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| 書名 | 日の名残り |
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2025年7-8月にHONTAN黒板展示(テーマ「夏」)にて本書が紹介されました。著者の京極夏彦さんは北海道小樽市出身、本作が百鬼夜行シリーズのデビュー作にあたります。古本屋「京極堂」を営む主人公の中禅寺秋彦は民族学、宗教学、心理学から科学に及ぶまで幅広い知識を持ち合わせ、「この世には不思議なことなど何もない」と語ります。語り尽くしたい博学を一方的に説明されますが、その蘊蓄は巧妙に物語の伏線に憑き物かのように絡み合い「真実」を浮かび上がらせます。単なる謎解きではなく、人の心に潜む弱さを浄化させるよう、すべての根底にある人の正しさを見つめます。
読み終わったあと、私は無意識のうちに正しい目を意識づけられ、見ている世界ひとつひとつ正しく解きほどくことこそ今を生きる上で大事ではないかと思わされました。百鬼夜行とは、日本の説話など登場する深夜に徘徊する妖怪ですが、京極夏彦さんが高校時代に美術部で描いた妖怪の絵の才能も素晴らしいです。『ビジュアル&デザインで愉しむ京極夏彦の世界』請求記号910.268/K [P112.京極夏彦の妖怪画] も併せてお勧めします。
| 紹介者 | |
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| 書名 | 姑獲鳥の夏 |
| 著者名 | |
| 分野 | |
| 蔵書検索 | |
| 所在 | |
| 請求番号 |