図書館員のおすすめ本
破線のマリス

紹介文
主人公はテレビ局の看板ニュース番組を担当する女性編集者。映像を切り貼りし、虚偽報道スレスレの刺激的なニュースを作り番組の高視聴率を支えている。
ある日、郵政省の官民癒着の内部告発とされる持込みのテープを入手し編集を加え、上司のチェックをすり抜けて、ある一人の郵政官僚が弁護士殺しの犯人かのような映像を電波に流す。堕ちていく郵政官僚と、自縛し深みにはまっていく主人公…。
マリスとは、法律用語で「悪意」という意味だそうですが、映像ひとつで世論を動かしたり、人の人生を破滅させたりできるのかと思うとゾッとします。報道番組は真実を語っていると信じたいところですが、制作側は何かしらの「意図」をもって報道しているはずです。報道番組を鵜呑みにせず、様々な情報から「何が正しいのか」を考えることが大事だと感じました。読後に報道番組の見方が変わる、そんな一冊です。
紹介者 | だるま |
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書名 | 破線のマリス |
著者名 | |
分野 | 小説 |
蔵書検索 | |
所在 | 3F和書 |
請求記号 | 913.6/N |