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遠い山なみの光
紹介文
この作品は会話シーンだけで映像をイメージさせます。私が受けた印象は、例えば、緒方さんが話し出すと小津監督*1の映像、万里子が話し出すと溝口監督*2、二郎が話し出すと黒澤監督*3のような映像が目まぐるしく交差するイメージを受けました。特に「万里子」と「悦子」の縄のシーンは、「会話」のみで全ての映像がフラッシュバックするかのような強烈な印象でした。物語の舞台は長崎とイギリス、そして悦子の曖昧な記憶。悔やみ、慰め、改心、そして歪みの渦が巻きつきます。本館所蔵『カズオ・イシグロと日本』930.278/Iでは、世界各国の研究家たちが「イシグロと日本」というテーマでイシグロ氏の奥に潜む日本を見つめています。アーカイヴ資料やイシグロ氏が書き留めた資料には日本の映画監督の記録もありとても興味深いです。
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書名 | 遠い山なみの光 |
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