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彼女が最後に見たものは
紹介文
この作品は、クリスマスイブの夜、新宿の空きビルで50代と思われる身元不明女性の遺体が発見されたところから話は始まります。この事件に警視庁捜査一課の三ツ矢と戸塚警察署の田所がコンビを組み捜査に当たることに。捜査を進めていくと、この女性の指紋がある未解決事件の現場で採取された指紋と一致していることが判明します。この二つの不可解な事件にはどのような接点があるのか、彼女はなぜ殺されなくてはならなかったのか。真実がわかった時、自分から見えていた景色はごく一部であったと感じると思います。
文中に三ツ矢の「彼女がかわいそうかどうかは、彼女にしかわからないのでしょうか。傍からはどんなにかわいそうに見えても、彼女自身は幸せだったかもしれません。」というセリフがあります。どんなに仲が良くても、どんなに長い時間を共に過ごしても、他人の心の奥底までは知ることができません。幸せそうに見えても不幸だと思っているかもしれない、不幸に見えても幸せかもしれない。結局は他人の心情を正確に理解することは難しいと、この本を読んで私は感じました。自分から見えているその人がすべてではないと、あの人はこうだと決めつけることは良くないと改めて感じました。
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