この作品は、破壊と再生を併せ持つ歴史に苛まれた「蛇」をモチーフにした人間回帰的な作品だと感じました。
物語は、蛇にまつわる神話や歴史、そして数多くの連なる文献が引用されています。蛇信仰の土地、毒蛇狩り、白蛇を祀る神社、さらには死者までも、記憶の断片が物語に絡まり、思考回路の闇でとぐろを巻きます。記憶の濁流が、まるで帰巣本能に従うように「闇」へと突き進み、絶え間ない倒流香かのように思考をかき乱します。破滅へ向かう姿勢のなかで、微かに垣間見える「生きろ」という光が差し込む瞬間、遠い昔の記憶(P145-146)が導き出されます。彼の作品を読み続けている方には、「ほっ」と胸のつかえが取れる安堵感を覚えることでしょう。
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| 書名 | 彼の左手は蛇 |
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人間関係に生きづらさを感じませんか?
友達とうまくやれない、将来が不安、どうせ誰にもわからない─そんな悩みを抱えた7人。こころがある日家の中で突然光りだしたかがみをくぐり抜けると、自分と似ているようで違う境遇の6人に出会う。年齢も想いも願いもなにもかもがバラバラなはずなのに、どうしてここに集められたのか?どうして”オオカミさん”は願いを叶えると言い出すのか?混乱の中で7人はそれぞれの過ごし方でかがみの中を理解し、お互いをわかりあう。この物語を読み終えるとき、すべてがつながる感動のラストが待っている。そして、どこかで彼らの物語は今も続いている。
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